本来の色を正しく伝えようとするライトアップ、あるいは。
香木の森、夜バラ鮮やか
島根県邑南町の「香木の森公園」で12日、ライトアップの試験点灯があった。園内で見ごろを迎えるバラを夜間にも楽しんでもらおうと企画。28日まで金、土曜日の午後7~9時に点灯する。
(後略)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201105140004.html
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上記の記事のように、バラなどを夜間でも見てもらうためには、二通りの見せ方が考えられます。
一つ目は昼間と同じように色を見せること。光源がLEDでも電球でもRaがいくら高くてもあるいは低くてもそれはある程度考慮にいれるとしても、
『そのバラの品種がすぐ見分けられるように』ライトアップするということが求められます。
記事内ではそのために、人が夜間ライトアップでバラが『昼間と同じように見えるか』ということをチェックしています。
いわばバラに詳しい人向けのライトアップと言えるかもしれません。
二つ目は、ライトアップによって違った表情をバラに与える見せ方。例えばバラの輪郭を強調し、その形の美しさを浮かび上がらせる手法や、あえて違った色を与えたりするカラーライティング的手法など、
『昼間とはまた違った(バラの)魅力をひきだす』ライトアップ。
(もちろん上記二つを組み合わせたり、エリアで分けるなどの方法も色々立地や立木等によりあるでしょうが)
夜間の空間の雰囲気を踏まえ、どちらを選択するかはケースによってそれぞれかと思いますが、中途半端にやると危険です。どっちつかずになってしまうと「ただ明るくして夜間営業してみました」ということしかお客様には伝わりません。
少し前にブログでご紹介した秋芳洞の記事にも少し触れましたが、その職員の方が「本来の色を楽しんでもらう」と仰っていましたが、それは本当に良いことなのか。特に洞窟という空間はもともとが光が非常に限られる世界ですので、個々の岩や池などよりも『洞窟の雰囲気そのもの』がとても重要なのではないか、とも思えたりします。
どちらにしろライトアップは行事・催事の一環として普通に(かつ気軽に)行われるようになってきましたが、そうだからこそ、「お客さん来て来て感」しか感じられないライトアップは控えるようにしてほしいものです。一部かとは思いますが、ライトアップを食傷気味にしてしまうとしたら、(あるいはそういう人が増えてしまうとしたら)原因はそういうところではないかと思います。昨今の節電事情を考えても一層気をつけたいところであります。